受法寺十五代住職往生

   

受法寺十五代住職浄隠院釋慶哉が

令和五年十二月十七日、往生の素懐を遂げました。


前住職は、昨年2月に体調を崩し、その後の検査でステージ4のスキルス胃癌と診断されました。

それから半年余りの抗癌剤治療により、一時は驚くほど順調に回復し、5月の永代経法要から7月の盆会、9月の彼岸会、そして10月の報恩講法要までご門徒の皆さまと共に勤めることが出来ました。

報恩講の直後に手術を予定しておりましたが、急激な病の悪化により、叶わぬこととなってしまいました。

それから入退院を繰り返した後、自宅でのターミナルケアへと移行し、安心出来る本堂からほど近い部屋での療養生活となりました。

苦しく辛い日々の中でもスマートフォンでお聴聞することを心の寄りどころとし、殆ど語せなくなってからは微かな声で念仏を唱えておりました。

老い・病み・死という仏教で説く「四苦」「八苦」の重さを身をもって示してくれているようでした。

梯実円和上は「往生即成仏」を「新しいいのちの出発をする」と言い換えてくださいました。

前住職は苦しみながら死に向かっていたのではなく、仏とならせていただくべく「還る場所」へと向かっていったのでしょう。

今生の68年の生涯におきましては、ご門徒さまや宗門関係をはじめとするお同行の皆さまや様々な活動でご一緒させて頂いた地域の皆さま、ご縁を結んだ多くの皆さま方のお育てを賜り、支えていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 


虫も木も花も山もそしてこの私もみんな仏になるいのちでありました。

〜南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏〜

住職 釋慧光

前坊守 横山幸子